どうしても食欲が落ち気味となるこの時期、冷たく冷やして生で食べるもよし、調理しても良しの旬のトマトはいかがでしょうか。
■トマトの歴史
トマトの原産地はアンデス山脈の西側のペルー、エクアドル、ボリビアにかけての高原で、極めて雨の少ない地域です。野生種のトマトは、とても小さくて今のマイクロトマト位の大きさだったと言われています。チェリートマトやマイクロトマトの様な小さいトマトは、味は改良されて美味しく甘くなっていますが、その姿は原種に近いとも言えますね。その後トマトはコロンブスの新大陸発見によりヨーロッパ各地へと伝わりましたが、当初はトマトの様なナス科の植物は有毒のものが多かった事から、毒があると思われたり、その匂いが強烈だったこともあり、もっぱら観賞用として栽培されていました。
トマトが食用にされるようになったのは、18世紀ごろで、イタリアで食用にされたのが始まりと言われていますが、その時のイタリアは飢饉の為に食べるものがなく仕方がなく食べ始めたとも。
今ではイタリア料理に欠かせないトマトの意外な歴史ですね。
日本にトマトが伝わったのは江戸時代、しかしこちらもやはり当初はもっぱら観賞用でした。
食用として栽培されるようになったのは、明治時代に他の西洋野菜とともに改めて導入されてからです。
■トマトの栄養
トマトには、体内で「ビタミンA」に変化する「β-カロテン」や「ビタミンC」に加え、「ビタミンB1」「ビタミンB2」などの「ビタミンB群」や「ビタミンE」が含まれています。また「ミネラル」として「カリウム」や「マグネシウム」「カルシウム」「鉄」「亜鉛」「セレン」を含んでいます。また、缶詰のトマトの水煮は、生食用のトマトと比べて熱に弱いビタミンC以外のビタミンやミネラルが多く含まれているそうですよ。
■トマトを使ってこんな料理はいかがでしょうか。
●トマトと卵の中華スープ
材料(2人分)
トマト…1個 水溶き片栗粉…適宜 溶き卵…1個分 白ねぎ(せん切)…適宜
A)油…大さじ1/2 白ねぎ(みじん切)…1/4本 しょうが(みじん切)…1/2片
B)湯…2カップ 顆粒鶏がらスープの素…小さじ1
C)しょうゆ…小さじ1 塩・胡椒…各少々
①トマトは湯むきしてひとくち大の乱切りにする。
②鍋にAを入れて炒める。Bを加え、煮立ったらトマトを加える。Cで調味し、水溶き片栗粉でとろみをつける。卵を加え、半熟状になったらひと混ぜして器に盛り、白ねぎをのせる。
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どうしても冷たいものを摂りがちな時期だけに、温かいスープで胃腸をいたわってみませんか?
●トマトのガーリックサラダ
材料(2人分)
トマト…2玉 きゅうり…1本 にんにく(うす切)…1片分 オリーブ油…大さじ2
A)オリーブ油…大さじ1+1/2 酢…大さじ1
粒マスタード…大さじ1/2 塩・胡椒…各少々
①トマトは食べやすく切る。きゅうりは皮を縞目にむいて乱切りにする。フライパンにオリーブ油を熱してにんにくを入れ、カリカリになるまで焼く。
②Aを混ぜ合わせ、①を加えて和える。
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こちらはもう一つの夏野菜の代表格とも言えるきゅうりとのサラダです。
夏らしくガーリックもあわせて、夏バテ防止にいかがでしょうか。
●トマトのふわふわ卵炒め
材料(2人分)
トマト…2玉 にんにく(みじん切)…1/2片分 パセリ(みじん切)…少々
バター…10g
A)卵…3個 粉チーズ…大さじ1 塩…小さじ1/3 胡椒…少々
①トマトはくし形に切る。
②フライパンにバターを溶かし、にんにくを炒める。香りが出たらトマトを入れてサッと炒める。Aを混ぜ合わせて流し入れ、大きく混ぜて半熟状で火を止める。
③器に盛り、パセリを散らす。
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簡単に出来るので、夕食にもう1品という時にもピッタリです。
またこのレシピは洋風のトマたま炒めですが、バターをごま油に、粉チーズを鶏がらスープの素にすれば中華風のトマトたまご炒めも出来ます。
●タコライス
材料(2人分)
合挽ミンチ…150g トマト…1個 アボカド・玉ねぎ…各1/2個
レタス…2枚 スライスチーズ…1枚 温かいご飯…400g
A)トマトケチャップ…大さじ4 にんにく(すりおろし)…1片分
しょうゆ…小さじ1 豆板醤…小さじ1/2
①トマトとアボカドは1cm角に切り、レタスは細切りにする。
②ミンチを解凍し、玉ねぎはみじん切りにし、耐熱容器に入れてAを加えて混ぜる。ラップをかけずにレンジ(600W)で約3分加熱し、取り出して混ぜ、さらに約3分加熱する。
③器にご飯を盛り、レタス、②をのせ、ちぎったチーズ、残りの①を散らす。
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最後に夏休みということで、カンタンでお昼ご飯にピッタリのタコライスはいかがでしょうか。
電子レンジを使って加熱するので、火を使わずに調理できます。
生協では、毎週普通のサイズからミニトマトまで色々なトマトを取り扱っています。
この機会に自分のお好みのトマトを見つけてみませんか。