2015-12-18

今が旬の味「ほうれん草」で年末年始を元気に!

今年も早いもので残り半月を切り、いよいよ年の瀬も押し詰まってまいりました。
年末年始の準備で忙しい今日この頃、今が旬の「ほうれん草」を使ったお料理はいかがでしょうか?



■ほうれん草の歴史


ほうれん草は漢字で書くと「菠薐草」と書き、この語源は、中国での呼称からきています。
ほうれん草の原産地は野生種は見つかっていませんが、西アジアが原産といわれ、現在のイランであるペルシャ地方で古くから栽培されていました。
中国でペルシャを意味する「菠薐(ぽーれん)」が日本に伝わって「ほうれん」になり、「菠薐から来た青菜だから菠薐草」となったそうです。

江戸時代に中国から伝わったほうれん草は、東洋種と呼ばれる品種でしたが、幕末の頃にフランスから西洋種が伝わりました。
その後、大正末期から昭和初期にかけて、現在もっとも栽培されている東洋種と西洋種の交雑種(一代雑種)が作られ、各地に広まっていきました。

東洋種
根元の赤みが濃く、葉肉は薄く深い切れ込みがあり、葉先がとがっています。
アクが少なく、甘みがあり、おひたしなどに向いています。
西洋種
葉肉が厚くて葉先が丸く、根元の赤みはそれほど濃くありません。
アクが強く、バターソテーなどに向いています。
一代雑種
東洋種と西洋種を交配して作られた、双方の良い点を持った品種です。現在最も多く栽培されているのがこの一代雑種です。
ちぢみほうれん草
「寒締めほうれん草」とも言われます。品種ではなく、栽培方法によって作られたほうれん草です。
冬の寒さにさらして、肉厚な縮れた葉の甘みの強いほうれん草にじっくりと育てます。



■ほうれん草の栄養


ほうれん草は緑黄色野菜の中でも高い栄養価を誇る野菜、特にカロテンやビタミンC、鉄分が豊富に含まれています。
ほうれん草の鉄分は、体内に吸収されにくい非ヘム鉄と呼ばれるタイプですが、ほうれん草は鉄分を吸収しやすくするビタミンCを一緒に摂取できる優れた食材です。

ほかにもほうれん草の葉から見つかったことから名づけられた葉酸はビタミンB12と協力して、赤血球を作り出すために必要なビタミンで、貧血に悩むことが多い女性は積極的に普段の食事に取り入れていきたい食材のひとつです。

また、下の表では書かれていませんが、ほうれん草に含まれているビタミンCは夏採りのほうれん草(10mg)と冬採りのほうれん草(30mg)と含まれている量が違います。
旬の時期の今のほうれん草の方がよりビタミンCが多く摂れます。


ほうれん草の主な栄養成分(ゆで・可食部100g中)

エネルギー・・・・・・・・・25.0kcal 炭水化物・・・・・・・・・4.0g

脂質・・・・・・・・・・・・0.5 g       たんぱく質・・・・・・・・2.6 g

カリウム・・・・・・・・・490.0mg   ナトリウム・・・・・・・・10.0 mg

カロテン・・・・・・・・・5400μg   ビタミンC・・・・・・・・・19.0mg

ビタミンK・・・・・・・・・320.0μg ナイアシン・・・・・・・・・0.3mg

葉酸・・・・・・・・・・・110.0μg      食物繊維・・・・・・・・・・3.6g

      (日本食品標準成分表2010より)


■旬のほうれん草の簡単レシピ



●じゃこスパゲッティ温泉たまごのせ

材料(2人分)
ちりめんじゃこ…大さじ3 温泉卵…2
スパゲッティ…200g ほうれん草…150g
にんにくみじん切り…1/2片分
オリーブ油…大さじ2 しょうゆ…小さじ2
油・バター…各大さじ1/2 塩…適宜


①スパゲッティは塩を加えた湯でゆでる。ほうれん草はサッとゆで、4㎝長さに切る。

②フライパンにオリーブ油、にんにくを熱し、香りが出たらスパゲッティ、ちりめんじゃこを入れて炒め、ほうれん草を加えてしょうゆをかけ、サッと炒め合わせる。

③器に盛り、温泉たまごを中央にのせる。


忙しい年末の昼食にピッタリな和風のパスタです。
しょうゆをだししょうゆやめんつゆに変えてもおいしいですし、ちりめんじゃこをカリカリに炒めたベーコンにしても良いですね。


●ほうれん草とミンチの甘辛和え

材料(2人分)
豚ミンチ…100g ほうれん草…150g
人参…1/4本 ごま油…大さじ1/2
炒り白ごま…適宜
A)砂糖・酒・しょうゆ…各大さじ1



①ほうれん草はサッとゆで、水気を絞ってざく切りにし、人参は細切りにしてゆでる。

②フライパンにごま油を熱し、豚ミンチをパラパラに炒め、を加えて汁気が少し残るまで煮る。これらを和え、器に盛り、炒り白ごまをふる。


こちらも忙しい年末にササっと作れるおかずです。
もやしのナムルがあれば、ほうれん草とミンチの甘辛和えと一緒にどんぶりに盛ったご飯の上にのせれば、簡単ビビンバ丼にもなります。


●もやしとほうれん草のピリ辛ナムル

材料(2人分)
豆もやし…100g ほうれん草…150g
洋人参…1/2
A)いり白ごま…大さじ1
しょうゆ…大さじ2 砂糖・酢…各大さじ1/2
ごま油…小さじ1
しょうが(すりおろす)・にんにく(すりおろす)・鶏がらスープの素・ラー油(お好みで)…各少々

①耐熱ボウルにもやし、せん切りにした人参を入れ、ラップをかけてレンジ(600w)で約3分加熱する。ほうれん草はゆでて食べやすく切る。

②①のボウルにほうれん草を加えてで和え、冷蔵庫に入れて味をなじませる。


というわけで、ほうれん草も入った簡単に作れるナムルのレシピです。
こちらを利用する場合は、ミンチだけ甘辛く味付けして炒めたのをあわせれば手軽にビビンバが作れますね。
「ほうれん草とミンチの甘辛和え」も「もやしとほうれん草のピリ辛ナムル」も、冷蔵庫である程度日持ちがしますので、多めに作っておいて常備菜としても活用できますから、年末の忙しい時にピッタリです。
また「ピリ辛ナムル」の方は大晦日辺りに作っておいて、緑黄色野菜が少ないお正月料理と一緒に出しても良いですね。

今回、ご紹介したレシピは生のほうれん草をゆでて使用するようになっていますが、COOPの「九州のカットほうれん草」(本体価格278円/税込価格300円)を使うという方法もあります。



COOPの「九州のカットほうれん草」は、生産者まで特定可能な九州で栽培したほうれん草を収穫後、加熱してバラ凍結しています。

約4㎝の長さにカットしてありますから、炒め物、おひたし、ごまあえ等、いろいろな用途に簡単にお使いいただけます。

上記のレシピのパスタや甘辛和えでしたら、フライパンに直接入れてさっと炒めればOKですし、ナムルなら電子レンジで加熱するだけでOKですから、時短にもなります。

またチャックシール付の袋ですので、残った分を保存するのも簡単です。

生協では、生のほうれん草「九州のカットほうれん草」もほぼ毎週ご案内していますので、どちらか使い勝手のいい方をお選びになって、ぜひこの機会にご利用下さい。